1)

NIKE AIR VAPORMAXに見る進化の系譜

初代エアマックスがテレビCMを通じて一般公開された3月26日を記念し「エアマックスデー」と定めたナイキは、近年その誕生日に合わせてスペシャルモデルを発表するのを恒例としてきました。

2015年はエアマックス誕生前夜にデザイナーのティンカー・ハットフィールド氏が構想していたスケッチからエアマックスゼロをリリース。翌16年は人気投票で選出されたエアマックス1 ATMOS エレファントを復刻。そして17年には、それまでエアマックスの過去にアプローチしてきたのとは対照的に、異次元の進化を遂げたエアヴェイパーマックスが登場します。

fig.1 The Evolution of Visible Air

奇しくもビジブルエアを初搭載したエアマックス1誕生から数えて30年、その間の系譜を辿ればマックスエアの進化の過程が決して平坦でなかったことが分かるでしょう。

エアバッグの大型化に伴い、ビジブル領域を拡大したシリーズ初期の180エア及び270マックスエア。気圧の異なるチャンバーを組み合わせ、安定感のあるクッショニングを追求したデュアルプレッシャーエア。前後にビジブルエアを搭載したトータルマックスエア。前・中・後足部のエアバッグを一体化したフルレングスビジブルエア。

遂にミッドソールのフォーム素材から解き放たれた360マックスエア、これが2006年のこと。以来、360マックスエアは改良を重ねて第3世代までアップデイト、フッレクスグルーブの採用により屈曲性も向上しました。

fig.2 Nike Air Vapormax (2017)

fig.3 Vapormax Air Unit (image)

それでも尚、より高いパフォーマンスの追求を諦めず、ミッドソールはもちろんアウトソールとしても機能する全く新しい形態のマックスエアを考案します。それが独立した9個のエアチャンバーで構成されたヴェイパーマックスエアでした。NIKE AIRが掲げた「エアの上を走る」という理想をその言葉通りに実現した新感覚のクッショニングに加え、フライニットアッパーとの組み合わせによるシリーズ史上最も軽量かつ柔軟なエアマックスとしても認定されています。

また真にイノベーティブなプロダクトか否かの指標として、エアヴェイパーマックスの多様性も見逃せません。昨年のリリース開始以来、エアヴェイパーマックスフライニットを中心にアッパーをアレンジしたモック、ユーティリティ、チャッカなどバリエーションが増殖。かたや歴代シリーズよりエアマックス97、エアマックスプラスと融合したフュージョンモデルまで展開する有り様。ヴェイパーマックスの先進性を分かち合うファミリーの形成は、そのイノベーションに寄せる信頼の証と言えるでしょう。


 NIKE AIR VAPORMAX 97 / AJ7291-001

リフレクター素材の流れるようなトリミングが特徴のエアマックス97より、ハイテクスニーカー全盛期のリミテッドカラーをまとうアッパーとヴェイパーマックスによる時空を超えたミックスアップ。


 NIKE AIR VAPORMAX 97 / AJ7291-700

1997年オリジナル発売のエアマックス97がメタリックゴールドに染まるプレシャスなアッパー。最先端テクノロジーを象徴するヴェイパーマックスエア搭載のフュージョンモデル。


 NIKE AIR VAPORMAX PLUS / 924453-009

1998年オリジナル発売のエアマックスプラスが魅せるモノトーンのグラデーションとTPUパーツの流線美。漆黒のツーリング、ヴェイパーマックスエアを装着したフュージョンモデル。


 NIKE AIR VAPORMAX FLYKNIT MOC / AH3397-006

柔軟さとフィッティングに優れたフライニットアッパーをミッドフットのストラップでサポートするシューレースレスのモカシン型。杢グレーの端正な色合いにクリアなヴェイパーマックスが映える。

 NIKE AIR VAPORMAX INNEVA / AO2447-400

スエードのウーブンテープを織り上げたフリーイネバのアッパーにヴェイパーマックスのソールユニットを装着したハイブリッドモデル。通気性、軽量性、屈曲性に優れたアーバンコンセプト。

——————————————————————————————

岸 伸和

Nobukazu Kishi Exclusive


  1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『Boon』(祥伝社) にてライターとして活動を開始。90年代のスニーカー全盛期には同誌のスニーカー特集や別冊の多くを担当、以降ライフワークの一環としてスニーカーを嗜んでいる。近年はアパレルブランドのカタログやWEBコンテンツの制作ほか、ブランドやクリエイターの活動をアーカイブした書籍を手掛ける。今秋にはWTAPS®ブック第2弾を刊行予定。

——————————————————————————————

UNDEFEATED / アンディフィーテッド

Web:http://undefeated.jp/

友だち追加