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アディダスの先進テクノロジーBOOST™にみる多様性

アディダスが次世代のパフォーマンス系ランニングシューズとしてエナジーブーストを発売したのは2013年のこと。

以来、同社の先進テクノロジーを象徴するアイコンとなったBOOST™は、新感覚のクッショニングをカテゴリーの垣根を越えて提供し、パフォーマンスラインからアディダスオリジナルスまで幅広いフィールドで展開してきました。

fig.1 adidas energy boost (2013)

まるで発泡スチロールを砕いて成形したような不思議な見た目のBOOST™ですが、その実態は当たらずとも遠からず。

発泡熱可塑性ポリエチレンビーズを発泡させた後に高温のスチームで連結したのがBOOST™フォームとのこと。従来のミッドソールの主流であったEVAフォームに比べて、気温や環境による影響を受けにくく、より長期間に渡って優れた衝撃吸収性と反発力を発揮するのが特徴。

特に反発力においては、板状のBOOST™フォームに鉄球を落とす実験で、落下の衝撃を吸収したBOOST™フォームがその力を反発するエネルギーに転換し、高く跳ね上がった鉄球が再び落下すると、同じプロセスをまた繰り返すーー無限ループのバネクッショニングを実証しました。BOOST™とEVAの比較実験でも反発力の差は明らか。

fig.2 Material, Surface, Construction of adidas BOOST™

エナジーブーストが初搭載したBOOST™フォームはミッドソールの80%だったのに対し、現行のウルトラブーストでは100%のフルレングスBOOST™ミッドソールを搭載しています。

加えて、アッパーにプライムニットを採用することで通気性や軽量性を飛躍的に向上しました。

近年はこのウルトラブーストを筆頭にBOOST™フォームを搭載したモデルが各カテゴリーで存在感を示しています。同様に、アディダスオリジナルスにおいてもその傾向は顕著で、NMDやEQTシリーズをはじめ、イージーブーストもまたフルレングスBOOST™ミッドソールの搭載機です。

fig.3 adidas UltraBOOST (2015)

fig.4 adidas Originals NMD Runner PK (2015)

fig.5 adidas Originals YEEZY BOOST 350 (2015)

バネのように繰り返される弾力性のあるクッショニングを実現したBOOST™は、その多様性においても優れた適応力を発揮し、アディダス及びアディダスオリジナルスのFall 18期における占有率はそれぞれ54%と23%に達します*1。

更に特別仕様のコンソーシアムについても数多くのBOOST™搭載機を手掛けている実績を踏まえる迄もなく、もはやBOOST™システムがアディダスブランドの中核を成す存在であることに疑いはないでしょう。

*1 アディダスのパフォーマンスラインは日本市場においてBOOST™搭載機を1型以上展開するランニング、トレーニング、アウトドアカテゴリーのメンズ及びユニセックスモデルを対象に、アディダスオリジナルスはカテゴリーを問わずメンズ及びユニセックスモデルを対象に調査しました。

adidas UltraBOOST CLIMA

プライムニットアッパーに同じくニット仕立ての3ストライプを組み合わせ、通気性に特化したクライマフィット仕様のウルトラブースト。コンチネンタル製のストレッチウェブアウトソールを装着した漆黒のフルレングスBOOST™ミッドソール搭載。

adidas consortium PureBOOST DPR SOLEBOX

ドイツ・ベルリン「SOLEBOX」共同製作のコンソーシアム発ピュアブースト。フルレングスBOOST™ミッドソールを搭載したアッパーにはシームレスのサーキュラーニットを採用。イタリアの高級靴をイメージしたプレミアムスエードを切り替え、ヒールサイドにSOLEBOXの型押しを施す。

adidas consortium UltraBOOST MID PROTO

シームレスなプライムニットアッパーにニットリブを履き口に切り替えたウルトラブーストのミッドカット仕様。TPU製ヒールカウンター及びフルレングスBOOST™ミッドソール採用のハイスペックながら、オーバーレイや3ストライプを左右で反転した遊びにプロトタイプらしい演出。

adidas consortium SUPERSTAR BOOST S.E. Sneakersnstuff x Social Status

スウェーデン・ストックホルム「Sneakersnstuff」と米国「Social Status」がタッグを組んだSNEAKER EXCHANGEプロジェクト第2弾、コンソーシアム発スーパースターブーストは、プライムニットアッパーのシェルトゥにBOOST™フォームを搭載したハイブリッドモデル。

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岸 伸和

Nobukazu Kishi Exclusive


  1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『Boon』(祥伝社) にてライターとして活動を開始。90年代のスニーカー全盛期には同誌のスニーカー特集や別冊の多くを担当、以降ライフワークの一環としてスニーカーを嗜んでいる。近年はアパレルブランドのカタログやWEBコンテンツの制作ほか、ブランドやクリエイターの活動をアーカイブした書籍を手掛ける。今秋にはWTAPS®ブック第2弾を刊行予定。

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UNDEFEATED / アンディフィーテッド

Web:http://undefeated.jp/

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