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“Chunky”な進化を遂げたPUMA発モダンクラシックなRS-Xシリーズ

プーマが1980年代にバイオメカニクスの専門家を招集し共同開発したPUMA Running System(通称RS)は、クッショニングやスタビリティに特化したランニングシューズの革新的なテクノロジーであり、80年代後半には”RS”を冠したパフォーマンスモデルが続々とリリースされた。その代表作であるRS-100やRS-350はオーバープロネーション抑制型のランニングシューズだが、当時のシリーズ最高峰にはヒールに搭載したコンピューターが走行データを記録し、パソコンと接続することで詳細なデータ分析ができるというRS COMPUTERなるモデルまで登場した。折しもアディダスがコンピューター搭載のマイクロペーサーを発売していた時期と重なる。


fig.1 Promotion for Puma Computer (1986)

そんなレトロフューチャーなテクノロジーにフォーカスし、劇的なモダナイズを遂げたプーマの最新RSコレクションが2018年よりリリースを開始した。丸みを帯びた独特のフォルムが特徴のコレクションは、デザインコンシャスな新作を発表しては注目を集めている近年のプーマを象徴する存在と言えるだろう。そんな中、RSコレクションより展開された一部のモデルが、ストリートを席巻する”Chunky”ブームの追い風に乗って熱烈な支持を得ている。ここでは現代に甦ったRSコレクションの全貌をその代表的なラインナップと共に紹介しよう。

RE-INVENTION名義で2018年に登場したRS-100及びRS-350は、それぞれ1986年と1987年にオリジナルが発売されたランニングシューズの復刻版で、その双方のディテールを組み合わせ、現代的なエッセンスを加えることで再構築したハイブリッドモデルがRS-0 RE-INVENTIONとなる。白と黒のストイックなコンビにミントグリーンの挿し色を効かせたカラーパレットは、80年代のパフォーマンスモデルの高潔さを巧みに表現している。


fig.2 Puma RS-100 Re-Invention (2018)


fig.3 Puma RS-350 Re-Invention (2018)


fig.4 Puma RS-0 Re-Invention (2018)

そして、このRS-0をベースに更なるアップデイトを施したRS-X REINVENTIONは、80年代の革新的なRSテクノロジーをミッドソールに搭載する一方、ボリューム感のあるシルエットにマテリアルのミックスやカラーパレットの大胆なアレンジを断行し、見事にプーマの新境地を開拓したエポックメイキングである。ファッションアイテムとしてのポテンシャルの高さは、バレンシアガのトリプルS、ナイキのエアモナークIV、同じくM2Kといった”Chunky”シューズの先行組にも遜色ないレベルだろう。


fig.5 Puma RS-X Reinvention (2018)

 


fig.6 Chunky Shoes in the Market (2017~)

また、RSコレクションではゲーム、音楽、写真といった現代のカルチャーにインスピレーションを得たPLAY、SOUND、OPTICS等の派生モデルをリリースする傍ら、それらのカルチャー繋がりで異業種とのコラボレーションも展開。なかでもコンピューターゲームのコントローラーをイメージしたRS-0 PLAYやビニールフィギュアをモチーフにノスタルジックな記憶を喚起するRS-X TOYSは、ストリートでも一際目を引くカラーをまとい、最新のトレンドを見事に反映している。


fig.7 Puma RS-0 Play / Sound / Optics (2018)

 
fig.8 Puma RS-0 Polaroid / Roland (2018)

fig.9 Puma RS-X Toys (2018)

プーマが80年代の先進テクノロジーを現代へ蘇らせたRSコレクションは、往年の偉業を称える復刻版あり、現代のマテリアルやテクノロジーと融合したハイブリッドあり、最新のトレンドを捕らえたリノベーションあり……まさにデザインの多様性が見所だろう。その多様性の結果として生まれたRS-Xは、ファッションへのアプローチを加速しているプーマにあって、今後も注目すべき存在なのは間違いない。


PUMA RS-X REINVENTION

80年代の先進テクノロジーに由来するRSコレクションより、RS-0のアップデイト版であるRS-XはミッドソールにRSテクノロジーを搭載したボリューム感のあるフォルム、マテリアルミックス、大胆なカラーパレットを特徴に、モダンクラシックなスタイルを披露する。淡いブルーにビビッドな挿し色を利かせたグッドデザイン。


PUMA RS-X REINVENTION

80年代の先進テクノロジーに由来するRSコレクションより、RS-0のアップデイト版であるRS-XはミッドソールにRSテクノロジーを搭載したボリューム感のあるフォルム、マテリアルミックス、大胆なカラーパレットを特徴に、モダンクラシックなスタイルを披露する。白地を朱に染める精悍なレッドブラスト。


PUMA RS-X TOYS

80年代の先進テクノロジーに由来するRSコレクションより、RS-0のアップデイト版であるRS-Xをビニールフィギュアにインスピレーションを得たノスタルジックなカラーパレットで展開するTOYSコンセプト。チャンキーなシルエットに映える原色系の色使いが子供時代の記憶を蘇らせるニューモデル。


PUMA RS-X TOYS

80年代の先進テクノロジーに由来するRSコレクションより、RS-0のアップデイト版であるRS-Xをビニールフィギュアにインスピレーションを得たノスタルジックなカラーパレットで展開するTOYSコンセプト。ブラックベースにティールやライムグリーンのコントラストカラーを配色したニューモデル。

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岸 伸和

Nobukazu Kishi Exclusive


  1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『Boon』(祥伝社) にてライターとして活動を開始。90年代のスニーカー全盛期には同誌のスニーカー特集や別冊の多くを担当、以降ライフワークの一環としてスニーカーを嗜んでいる。近年はアパレルブランドのカタログやWEBコンテンツの制作ほか、ブランドやクリエイターの活動をアーカイブした書籍を手掛ける。

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UNDEFEATED / アンディフィーテッド

Web:https://undefeated.jp/

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