NOW & ZEN 30. NBAコートを統べる王、レブロン・ジェームズのシグネチャーコレクションに逸品を見た

 世界最高峰のプロバスケットボールリーグ、NBAにおいて名実ともに頂点を極めた真のスーパースター、レブロン・ジェームズはデビュー以来、常にナイキが提供するシグネチャーモデルを着用し、現在もなお先進テクノロジーを導入しながら新型をアップデイトしている。レブロンの名を冠したシグネチャーには数多のバリエーションが派生し、いまや総数で何型リリースされているのか一概には判然としないが、ナイキにおいてエアジョーダンに次ぐ膨大なコレクションを形成しているのは間違いない。ここではレブロンのシグネチャーモデルについて語る前に、NBAの最前線を歩み続けてきた偉大なる足跡を辿ってみよう。

 

fig.01 LeBron James in Cavaliers, Heat and Lakers Era.

 2003年のドラフト1巡目でクリーブランド・キャバリアーズの指名を受けて03-04シーズンにデビュー。高卒ルーキーながら前評判通りの活躍で新人賞を獲得。05-06にはチームをプレーオフ進出へ導き、2年連続出場のオールスターで最年少のMVPに輝く。翌06-07はチーム史上初のファイナル進出を果たすもサンアントニオ・スパーズに4戦全敗。その後、08-09並びに09-10と2年連続でシーズンMVPを受賞するも、チームはプレーオフで敗退が続いた。

 マイアミ・ヒートへ移籍したレブロンはドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュと共に「ビッグ3」を結成。新チームでもエースとしての役割を務め、10-11はプレーオフでボストン・セルティックスやシカゴ・ブルズなど強豪を撃破、ファイナルでダラス・マーベリックスと対戦し敗退。労使交渉の決裂からシーズンが短縮された11-12、ケビン・デュラント率いるオクラホマ・サンダーとのファイナルを制し、悲願の初優勝を果たした。翌12-13にはキャブス時代に苦杯を舐めさせられた因縁のスパーズとファイナルで激突、第7戦の4Qまでもつれた試合を決めたのはレブロンのジャンプシュート。NBA連覇と同時にシーズンMVP及びファイナルMVPを2年連続で受賞する快挙(マイケル・ジョーダンに次いで史上2人目)。更に13-14シーズンは3連覇を目指してファイナルへ進出したが、スパーズのリベンジでスリーピート達成ならず。

 シーズン終了後にキャバリアーズと再契約、古巣へ復帰。14-15シーズンからファイナルへ進出。レブロンは第1~3戦で合計123得点(史上最高記録)を上げる等、獅子奮迅の活躍を見せたが敗退。翌15-16もファイナルへ進出、1勝3敗から史上初の逆転優勝を果たし、オハイオの悲願を叶える。シーズンオフにキャブスと契約更改、16-17並びに17-18でもチームをファイナルへ導くものの、共にゴールデンステート・ウォーリアーズに敗退。

 18-19シーズンには新天地を求めてロサンゼルス・レイカーズへ移籍。途中負傷による戦線離脱を余儀なくされたが、NBA通算得点でジョーダンを抜いて歴代4位に浮上する等、ベテランの健在ぶりをアピール。ただチームの成績は低迷、プレーオフ進出を逃す。レブロンにとっては04-05シーズン以来14年ぶり、ファイナル連続出場も8シーズンでストップ。シーズン終了を前に治療のためチームから離脱した。

 そのキャリアを通じてNBAの歴代通算記録や最年少記録を次々と更新してきたレブロンは、絶体絶命のチームを救う超人的な活躍を度々演じる等、NBAファンの記憶に鮮やかなシーンを刻み込んできた。また米国代表としても北京とロンドンオリンピックで2大会連続の金メダル獲得に貢献。輝かしいキャリアを築き、現在に至る。

 

fig.02 LeBron James Signature Archives (2003-2019)

 ここまで18シーズンに渡ってNBA及び米国代表という舞台で最高のパフォーマンスを披露してきたレブロンだが、ナイキとのパートナーシップも片時も手放すことはなかった。どのチームでもスモールフォワードとしてオールラウンドなプレースタイルを貫き、シュート、リバウンド、ディフェンスの全てに高い能力を発揮できた影には常にナイキのサポートがあったのは言う迄もない。ルーキーシーズンの2003年に発売されたAIR ZOOM GENERATIONを第1世代に、ZOOM LEBRON II~VI、AIR MAX LEBRON VII~VIII、LEBRON IX~XVIIを展開してきたシグネチャーモデルを中心に、ZOOM SOLDIER I~XIII、NSW、LIFESTYLEといった派生モデルから、AIR FORCE 1やAIR MAX 95のレブロン仕様まで、際限なく増殖を繰り返すナイキとレブロンのコラボレーション。この事実だけに鑑みてもナイキがレブロンをどれだけ優遇しているかが明白だろう。

 本稿でピックアップするLEBRON VII QSについては、2009年11月にマジソンスクエアガーデンで行われたニューヨーク・ニックス戦でデビューしたAIR MAX LEBRON VIIのレトロ版であり、歴代シリーズがズームエアを中心に継承してきたクッショニングシステムを突如フルレングスビジブル型のマックスエアに移行した分岐点の一足である。その後もマックスエアとズームエアを組み合わせたエアユニットという過渡期を経て、最終的にはLEBRON XIIのズームエアポッズやLEBRON XVのフルレングスビジブルズームエアへと変遷するレブロンシリーズのクッショニングシステムにはどうやら日和見主義的な傾向が垣間見えるが、好意的に捉えるならばテクノロジーに対するレブロンの旺盛な探究心の顕れと言えなくもない。そんな大胆なシステム変更に挑んだAIR MAX LEBRON VIIのファーストカラー、通称”レッドカーペット”を踏襲する一方で、オリジナルではフライワイヤーが張り巡らされていたサイドパネルを格子編みのウーブン仕様にアレンジ。その重厚かつミニマルなパターンのプロポーションは、どこか90年代後期のFORCE又はUPTEMPO系の造形に通じるものがある。

 

fig.03 LeBron X John Elliott Icon QS (2019)

 そしてもう一つ、歴代シグネチャーをベースにデザインコンシャスな進化を遂げたレブロンがファッションデザイナーのジョン・エリオットが手掛けるLEBRON X JE ICON QSだろう。フルレングスビジブルマックスエアをミッドソールに搭載したシリーズ第7~8世代を想定し、トランスルーセント仕様の繊細なアッパーと組み合わせたNIKELAB発のエポックメイキングは、洗練されたフォルムに一点の曇りもない爽快感が際立っている。同系色に彩られた知的なカラーウェイ然り、ヌバック仕立ての美しいライニングや2層式の凝ったアイレットなどディテールもまた然り、独創的な世界観でレブロンのパワフルなシグネチャーモデルをチューニングした作品は、眺めるほどに滋味が溢れるナイキコラボの真骨頂、ここにあり。

 かつてレブロン・ジェームズのためにクリエイトされたシグネチャーモデルに衝撃を受けたLEBRON XIの造形美は、スニーカーという枠組みを超えた芸術性すら感じさせたが、今回は改めてレブロンというアスリートの偉大さとそのシグネチャーモデルに注がれたクリエイティブな情熱を実感する機会を得られた。とりわけジョン・エリオットの研ぎ澄まされたスニーカー表現には目を瞠る思いがした、近年稀に見る傑作だろう。

 

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LEBRON VII QS(CU5133-100)/20,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

レブロン・ジェームズのシグネチャー第7世代を格子編みのウーブンパネルでブラッシュアップしたレトロ仕様の最新_モデル。ズームエアの進化と共に歩んだシリーズにマックスエアという劇薬を以って更なる飛躍を促した裏切りのエチュードは、その重厚さにおいてもコンテンポラリー。

※LEBRON VII QS(CU5133-100)は、10/29 (火)発売となります。

 

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LEBRON X JE ICON QS(AQ0114-200)/25,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

フルレングスビジブルエアを搭載したミッドソールは低重心で、フォルムの美しさを際立たせたトランスルーセント仕様のアッパーが幾何学的なパネルのレイヤーで構成されたジョン・エリオット謹製のレブロンモデル。有機的なアースカラーに彩られたパラシュートベージュ。

 

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LEBRON X JE ICON QS(AQ0114-001)/25,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

フルレングスビジブルエアを搭載したミッドソールは低重心で、フォルムの美しさを際立たせたトランスルーセント仕様のアッパーが幾何学的なパネルのレイヤーで構成されたジョン・エリオット謹製のレブロンモデル。マットとグロスがせめぎ合うトーナルブラック。

 

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LEBRON X JE ICON QS(AQ0114-600)/25,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

フルレングスビジブルエアを搭載したミッドソールは低重心で、フォルムの美しさを際立たせたトランスルーセント仕様のアッパーが幾何学的なパネルのレイヤーで構成されたジョン・エリオット謹製のレブロンモデル。パステルトーンの皮膜に覆われたチューリップピンク。

 

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LEBRON X JE ICON QS(AQ0114-101)/25,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

フルレングスビジブルエアを搭載したミッドソールは低重心で、フォルムの美しさを際立たせたトランスルーセント仕様のアッパーが幾何学的なパネルのレイヤーで構成されたジョン・エリオット謹製のレブロンモデル。淡い色合いを重ねて紡いだトーナルホワイト。

 

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LEBRON XVI LOW(CI2668-300)/17,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

軽量かつ伸縮性に優れたニットアッパーを硬質なキャンバス製のヒールカップでプロテクトするLEBRON XVIのローカット仕様。ビジブルズームエアの連結ユニットを搭載したパフォーマンスモデル。迷彩柄のアクセントを効かせたカーゴカーキ。

 

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LEBRON XVI LOW(CI2668-004)/17,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

軽量かつ伸縮性に優れたニットアッパーを硬質なキャンバス製のヒールカップでプロテクトするLEBRON XVIのローカット仕様。ビジブルズームエアの連結ユニットを搭載したパフォーマンスモデル。レプタイル柄のエンボス加工を施したソリッドブラック。

 

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ZOOM LEBRON III QS(AO2434-400)/17,500yen(+sales tax)詳しくはこちら

プレーオフ進出を果たし、オールスターでは最年少MVPに輝いた2005年オリジナル発売のシグネチャー第3世代のレトロ版。レブロンのクイックな機動性を重視したハイボリュームズームエア内蔵のロープロファイル仕様。オールスター着用の通称”ハウストン”。

 


岸 伸和

Nobukazu Kishi Exclusive


  1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『Boon』(祥伝社) にてライターとして活動を開始。90年代のスニーカー全盛期には同誌のスニーカー特集や別冊の多くを担当、以降ライフワークの一環としてスニーカーを嗜んでいる。近年はアパレルブランドのカタログやWEBコンテンツの制作ほか、ブランドやクリエイターの活動をアーカイブした書籍を手掛ける。


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