14. Chunkyなフォルムをまとうadidas発”Feet You Wear”の隠れた傑作がブラッシュアップ

 
前足部と後足部を隔てるグルーブ(溝)と前後を繋ぐ硬質ケブラー樹脂のプラスチックバーで構成されたトルションシステムは、足の自由を確保すると共にオーバープロネーションなど危険なねじれをコントロールするアディダス独自のテクノロジー。1989年発売のZX8000に初搭載されて以来、今年でデビュー30周年を迎える偉大なるメカニズムを讃え、アディダスでは歴代のトルション搭載機からピックアップしたエキップメントモデルを復刻、それが19年2月リリースのadidas Consortium FYW S-97 OGである。


fig.01_adidas ZX8000 and its Torsion System (1989)


fig.02_adidas EQT. SALVATION and its Torsion System (1997)

アディダスが手掛けるリミテッドエディションのコンソーシアムより登場したFYW S-97 OGだが、オリジナルは97年発売のEQT.サルベーションというランニングシューズで、言う迄もなく当時のハイエンドモデルだった。トルションバーの進化形態を搭載したソールには、96年発表の先進テクノロジー”Feet You Wear”(フィーツーウェア)を導入。肉球を彷彿させる凹凸感が特徴のソールユニットは、足本来の自然な動きを促し、クッショニングやスタビリティを兼ね備えたアディダス先進技術の結晶。


fig.03_adidas EQT. INTEGRAL and its Feet You Wear (1996)

それにも関わらず、当時のセールス状況に特筆すべきものはなく、ハイテクスニーカーブームの波にも乗り切れずにマーケットを去った模様。とは言え、いま改めてそのフォルムを確認すると、全体に重厚感のあるアッパーとソールや曲線の切り替えを重ねたアッパーのレイヤリングなど、Chunkyシューズのトレンドを想起させるデザインが顕在化。97年当時は果たせなかったマーケットのメインストリームに名乗りを挙げるべく復刻されたFYW S-97 OGに注目したい。


adidas Consortium FYW S-97 OG
ハイテクブームに翳りの見え始めた97年発売のEQT.サルベーションの復刻版。当時のアディダスがその先進性を誇ったFeet You Wearをはじめ、トルションシステムやアディプレーンなど搭載。各カテゴリーの”Best of adidas”で編成されたエキップメントシリーズの名機が甦るコンソーシアムモデル。

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岸 伸和

Nobukazu Kishi Exclusive


  1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『Boon』(祥伝社) にてライターとして活動を開始。90年代のスニーカー全盛期には同誌のスニーカー特集や別冊の多くを担当、以降ライフワークの一環としてスニーカーを嗜んでいる。近年はアパレルブランドのカタログやWEBコンテンツの制作ほか、ブランドやクリエイターの活動をアーカイブした書籍を手掛ける。


UNDEFEATED / アンディフィーテッド

Web:https://undefeated.jp/

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