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AIR MAX 98 NEONに見るナイキデザインの成熟と前衛


シリアスランナーがオンロードを走るためのトレーニングシューズとして開発されたエアマックスは、それと同時に各世代のナイキテクノロジーの象徴であり続けてきた。エアバッグの大型化によりミッドソールの側壁を貫いた初代エアマックスから、ビジブルエアの集合体がフォーム素材を一掃したエアヴェイパーマックスに至るまで、ナイキのアイコンとして歩み続けるエアマックスの存在意義に変わりはない。
また、革新的なテクノロジーも然ることながら、デザインにおいても常に時代の最先端を走り続けてきたエアマックスだが、なかでも90年代にリリースされた歴代モデルはその洗練されたスタイルが今なお注目を浴びている。エアマックス1を源流に、TPUパーツの導入が新たな世代の幕を開けたエアマックス90、前後にビジブルエアを搭載したトータル第1世代のエアマックス95、フルレングスビジブルエアの近未来的なフォルムを体現したエアマックス97、更にトータル第3世代の有終の美を飾ったエアマックス98……これら90年代を彩ったマスターピースが現代のスニーカーシーンに及ぼした影響は計り知れない。


fig.1 Masterpiece of Air Max in 90s

それぞれのシーズンに販売されたオリジナルカラーは元より、後継モデルへバトンを渡した後にスニーカーカルチャーの担い手として多種多様なカラーバリエーションを展開してきた90年代生まれのエアマックスは、今この瞬間も増殖していることだろう。そこには様々なエポックメイキングが生まれ、スニーカー市場を大いに賑わせた。エアマックスルナ90のインフラレッド、エアマックス95のモンスター、エアマックス97のUNDEFEATEDカラー、エアマックス98クイックストライク……インラインからリミテッドエディションまで多岐に渡るラインナップは枚挙にいとまがない。


fig.2 Nike Air Max Lunar 90


fig.3 Nike Air Max 95 Monster


fig.4 Nike Air Max 97 Undefeated


fig.5 Nike Air Max 98 QS


fig.6 Nike Air Max 90 Neon

そして、いま新たにエポックメイキングの殿堂にリストアップされようとしているニューモデルがここに。漆黒のボディに映える色とりどりのネオンカラー、エアマックス90及びエアマックス98のネオンパック。目の醒めるようなカラーパレットは意外なほど斬新で、蛍光色をマルチに用いていながら完璧なバランスを保っている。こうした隙のないクリエイティビティにナイキデザインの成熟したテクニックと前衛的なアティチュードが垣間見える。2019年を代表する逸材としてリザーブしておくべきモデルだろう。


NIKE AIR MAX 98 NEON
フルレングスビジブルエアを搭載したエアマックス98のアッパーを漆黒に、ミッドソールに赤を配色する他、シューレースパーツや刺繍ロゴ、シュータンとプルタブを蛍光色でカラフルに彩ったネオンパックのニューモデル。アートピース級の洗練されたカラーパレットを讃えたい。

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岸 伸和

Nobukazu Kishi Exclusive


  1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『Boon』(祥伝社) にてライターとして活動を開始。90年代のスニーカー全盛期には同誌のスニーカー特集や別冊の多くを担当、以降ライフワークの一環としてスニーカーを嗜んでいる。近年はアパレルブランドのカタログやWEBコンテンツの制作ほか、ブランドやクリエイターの活動をアーカイブした書籍を手掛ける。

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UNDEFEATED / アンディフィーテッド

Web:https://undefeated.jp/

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