NOW & ZEN.031 ナイキの至宝、AIR JORDAN 1より派生した2つのスタイル、ローカットとミッドカットの起源を探る

 マイケル・ジョーダンがノースカロライナ大学を経てシカゴ・ブルズへ入団した1984-85シーズンには早くも発売されたAIR JORDAN 1は、ナイキが初めてシリーズ化したシグネチャーモデルの第1世代である。この歴史的な名機を手掛けたブルース・キルゴアは、既にAIR FORCE 1のデザイナーとして実績があり、ここでも80年代半ば迄に完成されたバスケットボールシューズの様式美を極め、洗練されたシルエットやディテールを創出した。その成果は今なおレトロのOG仕様が頻繁に復刻されていること、そして圧倒的な支持を得ていることでも証明される。いずれにしろ、AIR JORDAN 1がスニーカーカルチャーの発展に寄与したエポックメイキングであることに疑問を差し挟む余地はあるまい。

fig_01 Nike Air Jordan 1 High (1985)

 

fig_02 Nike Air Jordan 1 Low (1986)

 

fig_03 Nike Air Jordan 1 Retro OGs

 

fig_04 Various Varieties of Air Jordan 1

 

 近年、AIR JORDAN 1のシルエットにジッパーやストラップを装着した派生モデルのリリースが相次いでいるが、やはりAIR JORDAN 1と言えば、誰もが真っ先に思い描くハイカットこそ保守本流である。そして80年代半ばのオリジナル当時から既に存在していたのがローカットで、ハイカットと共に展開されていた。AIR JORDAN 1を象徴するアンクルスタビライザーのウィングマークは、ローカットの場合、ヒールパッドに刻印されるも、精悍な佇まいは歴としたAIR JORDAN 1であることを主張する。とは言え、80年代のバスケットボールシューズにおいては、足首をホールドし故障のリスクを軽減するハイカットがあくまで本命で、80年代後半~90年代初頭のAIR FORCEシリーズでは世代を重ねるごとに益々その傾向が顕著に。ただし、全てのバスケットボール選手がハイカット信仰に同調していたわけではなく、個人のレベルでは足首の自由な動きを重視する選手も少なくなかった。マイケル・ジョーダンもその一人で、当時のナイキは対応策としてスリークォーター(3/4)カットという特別仕様のAIR JORDAN 1を提供していた。このスリークォーターがまさに後世にリリースされるミッドカットのシルエットに酷似しており、意図したものか否かはともかく、伝統的なスタイルの後継モデルと言えそうだ。

fig_05 Air Jordan 1 3/4 PE / Air Jordan 1 High

 

fig_06 Nike Air Jordan 1 Low / Air Jordan 1 Mid  / Air Jordan 1 High 

 

 今回紹介するAIR JORDAN 1 LOW及びMIDは、言わばレトロ世代に独自の進化を遂げたスタイルだが、それぞれの来歴にはオリジナル世代のインスピレーションも含まれている。1986年のイタリアで開催されたエキシビションマッチにおいてジョーダンが強烈なダンクシュートでバックボードを破壊した逸話に基づく”Shattered Backboard”由来の配色がオレンジベースのAIR JORDAN 1 LOWとMIDだ。またトゥガードとスウッシュとトリムをブラックで統一したコートパープル及びジムレッドのAIR JORDAN 1 LOWは、シュリンクレザー、デュラバック、シンセティックレザー、パテント、ナイロンでアッパーを構成したマテリアルのアレンジがユニーク。一方、耐久性に優れたデュラバックをブラックで揃え、マットなグレーとメタリックシルバーという対照的な挿し色をまとったAIR JORDAN 1 MIDをラインナップ。

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AIR JORDAN 1 LOW – WHITE/STAR FISH/BLACK(553558-128)/
12,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

ヒールの仕様がオリジナルとは異なりウィングマークをヒールカウンターに刺繍した新型のローカットは、パーツごとに異なるマテリアルを組み合わせたコンテンポラリーなアプローチ。通称”Shattered Backboard”にちなんだオレンジの好配色。

 

 

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AIR JORDAN 1 LOW – WHITE/BLACK/COURT PURPLE(553558-125)/
12,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

ヒールの仕様がオリジナルとは異なりウィングマークをヒールカウンターに刺繍した新型のローカットは、パーツごとに異なるマテリアルを組み合わせたコンテンポラリーなアプローチ。コートパープルを採用したカラーバリエーション。

 

 

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AIR JORDAN 1 LOW – BLACK/RED/WHITE(553558-116)/
12,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

ヒールの仕様がオリジナルとは異なりウィングマークをヒールカウンターに刺繍した新型のローカットは、パーツごとに異なるマテリアルを組み合わせたコンテンポラリーなアプローチ。ジムレッドを採用したカラーバリエーション。

 

 

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AIR JORDAN 1 MID – BLACK/STAR FISH/WHITE/STAR FISH(554724-058)/
13,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

ジョーダン自身の要望を反映し、足首の自由度を優先しつつ低重心に設計されたスリークォーターの末裔、ミッドカットに”Shattered Backboard”の伝説にちなんだオレンジベースのニューカラー。

 

 

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AIR JORDAN 1 MID – BLACK/GRAY/RED(554724-060)/
13,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

ジョーダン自身の要望を反映し、足首の自由度を優先しつつ低重心に設計されたスリークォーターの末裔、ミッドカットにマットブラックのデュラバックに赤い縁取りを効かせたニューカラー。

 

 

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AIR JORDAN 1 MID – BLACK/METALLIC SILVER/WHITE/GYM RED(554724-057)/
13,000yen(+sales tax)詳しくはこちら

ジョーダン自身の要望を反映し、足首の自由度を優先しつつ低重心に設計されたスリークォーターの末裔、ミッドカットにアンクルスタビライザー、スウッシュ、ヒールカウンターをメタリックシルバーで彩ったニューカラー。

 

今後ともUNDEFEATEDを宜しくお願いいたします。



岸 伸和

Nobukazu Kishi Exclusive


  1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『Boon』(祥伝社) にてライターとして活動を開始。90年代のスニーカー全盛期には同誌のスニーカー特集や別冊の多くを担当、以降ライフワークの一環としてスニーカーを嗜んでいる。近年はアパレルブランドのカタログやWEBコンテンツの制作ほか、ブランドやクリエイターの活動をアーカイブした書籍を手掛ける。

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