UNDEFEATEDが創業以来、これまでに手掛けてきたフットウェアのコラボレーションをアーカイブするスペシャルコンテンツ。スニーカー市場を沸騰させた超レアなプレミアモデルから玄人趣味のアレンジが際立つコラボまで順次ラインナップ。それぞれ時代のカラーを映してきたUNDEFEATED別注の軌跡をここに綴り、永久保存版のカタログを編纂する。

ARCHIVES Vol.11
by UNDEFEATED

UNDFTD x Timberland 6inch Premium Boot
2006

アンディフィーテッド×ディンバーランド6インチプレミアムブーツのグラフィック

 ティンバーランドが現在のスタイルを確立する約20年前、ネイサン・シュワルツは1952年にアビントンシューカンパニーを買収し、本社をニューハンプシャー州に移転した。雄大な自然と東海岸の大都市へのアクセスの良さで知られるニューハンプシャー州は、吹雪から熱波まで天候の厳しい土地柄でもあった。ニューイングランド地方の労働者向けにワークウェアを主に生産していた同社では、防水性の利いた革靴の開発に取り組むも、実現には至らず。若くして靴職人としての修行を積んだネイサンは、一貫してブランドの改革を推進し、1965年には射出成形を発明したことで防水性の課題をクリア。革製のアッパーにラバーソールを縫い付けず溶着させて防水性能を獲得した。この射出成形の登場はティンバーランドの前身であるカンパニーを躍進し、防水性を備えたブーツが厳しい環境で働く人々に大きく寄与したことは言う迄もない。
 そして1973年「ティンバーランド」の名を冠したオリジナルのウォータープルーフブーツを発売。頑丈かつ精巧に作られたティンバーランドブーツは、革新的な射出成形技術により防水性を備え、靴業界に防水性能の新たな基準を構築した。過酷な環境で活動するアウトドア愛好家から労働者まで、あらゆるニーズに対応したティンバーランドブーツがアビントンシューカンパニーの新たなアイコンとなり、1978年には正式に社名を「ティンバーランド」に変更する。
 また、元々8インチだったシャフトに現在の定番である6インチが加わり、ウィートヌバックをまとった所謂「イエローブーツ」が登場し、ティンバーランドを代表するアイテムとして定着したのもこの頃。当時のティンバーランドはまだ厳しい寒さの中で働く人々が主なターゲットだったが、80年代には徐々にファッションユースのニーズも拡大。例えば、ヨーロッパのブティックでアメリカ生まれのワークブーツが取り扱われる等、変化の兆しが随所に見え始めた。

ティンバーランドの 6インチイエローブーツを着用した男性たちのグラフィック

 更に90年代を迎えると、ティンバーランドの売り上げは急増し、ニューハンプシャー本社の首脳陣も驚かずにはいられなかった。その屋台骨を背負っていたのが6インチのイエローブーツである。販売エリアもかつてのニューイングランドからブルックリンなどカウンターカルチャーの聖地へ。なかでもニューヨークにおいて最初にイエローブーツを支持したのは、夜通し街中をウロつく麻薬の密売人で、イエローブーツのドライで快適な履き心地が絶賛されたという都市伝説まで語り継がれている。こうした評判がカウンターカルチャーにおけるティンバーランドの地位を確固たるものにした。特にヒップホップとティンバーランドの絆の強さは片時も離れることを知らず、イエローブーツはもはやラッパーの基本的なワードローブとして浸透していった。

5アンディフィーテッド×ディンバーランド6インチプレミアムブーツかかとのロゴのアップ

 ティンバーランドでは近年アパレルブランドやスニーカーショップなどサードパーティーとのコラボレーションにも積極的な姿勢で臨み、革新的なスタイルを数多く輩出している。その一つが2006年にリリースされたUNDEFEATED共同製作の6インチプレミアムブーツである。UNDEFEATEDではそれぞれスエードとヌバックのコンビで、ブラック、オリーブ、タンの3色展開。パッド入りの履き口を同系色で仕上げたエクステリアは、現代のトレンドにも通じるトーナルカラーの装い。まさに時代を超越したセンスの賜物だろう。シューレースに革紐をアレンジ、シュータンとレザーパッチにはUNDEFEATEDのアイコンであるファイブストライクを刻印したリミテッドエディション。ニューイングランド地方の労働者を対象に製品開発していたブランド創成期から、ヒップホップカルチャーとの繋がりを経て、ストリートを占拠する現代まで、ティンバーランドの物語は常にイエローブーツと共に進化を遂げてきた。

6インチプレミアムブーツの側面とシュータンのアップ

6インチプレミアムブーツの側面とシュータンのアップ

ベージュのアンディフィーテッド×ディンバーランド6インチプレミアムブーツの側面

ブラックのアンディフィーテッド×ディンバーランド6インチプレミアムブーツの側面

カーキのアンディフィーテッド×ディンバーランド6インチプレミアムブーツの側面


岸 伸和 – Nobukazu Kishi Exclusive
1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『Boon』(祥伝社) にてライターとして活動を開始。90年代のスニーカー全盛期には同誌のスニーカー特集や別冊の多くを担当、以降ライフワークの一環としてスニーカーを嗜んでいる。近年はアパレルブランドのカタログやWEBコンテンツの制作ほか、ブランドやクリエイターの活動をアーカイブした書籍を手掛ける。


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