UNDEFEATED

NIKE
DUNK HI SP
THE CREW INTERVIEW

UNDEFEATEDクルーのスニーカー生活とナイキダンク

現在、UNDEFEATED明治通り店に勤務するスタッフの池田陸さんと山内大輝さんは、プライベートでもスニーカー好きの男友達4人でルームシェアしている、正真正銘のスニーカークルーである。元々、友達二人でシェアしていた物件に池田さんと山内さんが居付いてしまい始まった一つ屋根の下での共同生活は、スニーカーという共通の趣味をベースに、至極快適なご様子。そんな彼らがいま最も注目しているスニーカーと言えば、やはりダンクだと言う。そこで今回は、ダンクハイSPのプロモーションも兼ねてインタビューを敢行。ダンクの魅力やその最たる特徴であるカレッジカラーについて、当時を知らない若い世代のスニーカーファンは如何に思うや。勿論、スニーカークルーの共同生活の諸々についても根掘り葉掘り訊いてみた。

ーー最初にスニーカーを好きになったきっかけを教えてください。

池田高校卒業後の18~19歳の頃、カニエ・ウエストの楽曲を聴き始めたのがきっかけで、徐々にスニーカーカルチャーに浸かっていきました。その後、間もなくナイキのカッコよさを改めて認識してからはナイキ一択です。

山内僕の場合も5~6年前にエアジョーダン1レトロのシカゴが復刻された際、元バスケ部の血が騒ぎ、並んだけど買えず。その悔しい気持ちがバネになり、中古市場を調べて情報を集めるうちに気付いたら、スニーカー沼にハマってました。当時、初めて買ったのはハイザリターン*1。エアジョーダン1に2のソールを履いたエアジョーダン1.5的なモデルです。

*1 NIKE AIR JORDAN 1 HIGH THE RETURN1986年に故障離脱していたマイケル・ジョーダンのため、ナイキは開発途上だったエアジョーダン2のソールユニットをエアジョーダン1に装着したプレイヤーズモデルを提供。復帰後の試合で着用されたが、製品化には至らず。エアジョーダン30周年の2015年、この史実に基づき再現された幻の復刻版。

ーー音楽カルチャーやエアジョーダンを入り口に歩み始めたスニーカーの道でダンクと如何に出逢ったか教えてください。

池田友達の影響もあって、ダンクいいなぁって思い始めた頃、最初に買ったのがダンクSBのパープルロブスター*2。それがきっかけでダンク熱に火が着いて、その1年後にはダンクだけで8足もコレクションしてました。

山内僕にとって初めてのダンクは、黒地にゴールドのスウッシュが映えるタカシ・ホソカワのシグネチャーモデル。これをセカンドマーケットで手に入れたのが3~4年前。以来、ダンクに限らずスニーカー全体により一層ハマっちゃいました。当時はリサイクルショップを中心にユーズドを漁って、海外のサイトではプレ値が付いてるモデルを発見しては喜んだり……そういう楽しみ方がギリギリ残っていた時代です。

*2 NIKE SB DUNK LOW PRO OG CONCEPTS “PURPLE LOBSTER”米国マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置くConceptsが2008年にダンクロープロSBを別注したレッドロブスター、翌年のブルーとイエロー以来、約10年振りに発表されたのが2018年のパープルロブスター。ホワイト、ブラック、ピンクのシューレース3色とロブスターのハサミを封じる帯をイメージしたバンド2色付きの豪華なパッケージ。

ーー個人的に最も大事にしているダンクって何ですか?

池田メディコムトイ別注の第2弾でブラックデニムのダンクロープロSB*3は、先輩に頼み込んで譲ってもらった一生の宝物です。あと、Girls Don’t CryのダンクSB*4も日頃から仲良くさせてもらってるVERDYさんの作品ということで、めちゃくちゃ大切にしてます。

山内僕らが唯一お揃いで持ってるのがGirls Don’t CryのダンクSBなんです。4人の繋がりを象徴する存在だったのかもしれませんね。

*3 NIKE DUNK LOW PRO SB MEDICOM TOY “BLACK DENIM”ベアブリックを通じて様々なブランドとコラボしてきたメディコムトイがベイブキューブシティ会員限定で発売したダンクSBの第2弾、ブラックデニムは2004年製。次回以降のリフレクター、ホワイトスネーク、フェイクファー等、マテリアルへのこだわりを表現したメディコムトイ別注は傑作揃いのキラーコンテンツに。

*4 NIKE DUNK LOW PRO SB “GIRLS DON’T CRY”グラフィックデザイナーのVERDYが創作したGirls Don’t Cryのアートワークは瞬く間にストリートを席巻、著名なアパレルブランドをパートナーに数々のコラボを展開。真っ赤な配色のダンクロープロSBにGirls Don’t Cryの刺繍ロゴをあしらったリミテッドエディションは、スクリーンプリントTシャツ、スウェットフーディ、トートバッグを含むカプセルコレクションより2019年発売。

ーーそれぞれスニーカー好きと云う男友達4人でルームシェアを始めた経緯は?

池田僕らは元々、通勤圏内の実家から仕事や遊びに出掛けてましたが、僕ら以外の二人が既にシェアしていた部屋に泊めてもらい、改めて都心で暮らす便利さを享受するうち、だんだん居候みたいに……。それなら4人で一緒に住もうかって話になったんです。

山内それ以前からスニーカー好きという共通の趣味で繋がっていた仲間だったので、一緒に住むことに対する不安はありませんでした。むしろ一晩中でもスニーカーについて語り合える環境と仲間たちに囲まれて、日々のスニーカーライフを満喫しています。ここ最近は4人共、00年代前半の初期のダンクSB*5をターゲットに収集活動していたので、一時はダンクだけで50足以上もあって、それを居間に並べて鑑賞会を開いたり、コロナ禍の自粛期間中には4人でYOUTUBEのチャンネルも開設しました。

*5 NIKE DUNK LOW PRO SB 1st GENERATIONナイキスケートボーディングの発足と共に結成したチームにはダニー・スパ、ジーノ・イアヌッチ、リース・フォーブス、ポール・ロドリゲス、トッド・ジョーダン、ブライアン・アンダーソンといった錚々たるメンバーが招集され、それぞれシグネチャーカラーのダンクロープロSBが提供された。スケートブランドのCHOCOLATE別注モデルもその一つ。

ーー00年代前半のダンクSBなど古いスニーカーはどんな方法で探すんですか?

山内今から15~20年前のスニーカーで言えば、初期のダンクSBとかエアフォース1の25周年企画とか。現代のスニーカーにはない遊び心のあるコレクションに惹かれます。そういう探索には主にオークションサイトやリサイクルショップを活用するんです。小規模なリサイクルショップではダンクやエアフォース1に限らず、掘り出し物を発見したり。その素性や価値を知りたければ、品番をウェブで検索すれば情報を得られるように、セカンドマーケットの環境も整ってきました。特にStock XやFlight Clubはスニーカーの相場観を知るのに重宝しています。

池田新作ならば一次流通の定価で買えるのに越したことはありませんが、抽選で外れたり、そもそも古い年代のスニーカーの場合には、セカンドマーケットに頼らざるを得ません。定価以上のプレ値が付いたモデルでも程度の良いユーズドを狙えば手頃な価格で買えることもあります。

山内他にも情報を求めて、当時の雑誌をみんなで回し読みしたり。『Boon』にはスニーカーの勉強を沢山させてもらいました(笑)

ーースニーカークルーの共同生活に何かルールはありますか?

山内何事もUNOで決めるというのが僕らのハウスルールです。炊事・洗濯・掃除といった家事全般をUNOの勝ち負けで割り振ったり。まぁ、男所帯ですから、あまり厳格に家事に取り組んでるわけじゃありませんが……。

池田いま住んでいるマンションの間取りは3DKで、3人には個室があるのに、僕だけダイニングキッチンで寝起きしてるんです。一番最後に入居したので仕方ないとは思いますが、やっぱりスニーカーを収納するスペースが無いのには本当に困ってます。

ーースニーカークルーの合宿所みたいな雰囲気ですね。ところで、今年はダンク35周年を記念して00年代初頭の”CO.JP”などが復刻されていますが、現行のダンクも収集対象なんですか?

山内SBダンクが登場する間際まで日本企画のダンクが相次いでリリースされ、その中には厚タンとガムソールのスエードダンクが製品化されていた事実も認識しています。当時のカラーパレットや素材感を受け継いだダンクSP*6も当然、コレクションの対象でしたが、個人的には抽選が連敗続きで買えてません。

池田ダンクでもそれ以外でも、元々シンプルな2トーンの配色が大好きで、カレッジカラーのダンクはその最たる例です。これまでダンクSPではバイオテックとプラムのスエードモデルを購入しました。もの凄く気に入ってます。

*6 NIKE DUNK LOW SP生誕35周年の節目にかつて日本企画でリリースされたCO.JPなど00年代初頭の復刻版を展開するアニバーサリーモデル。当時の「DUNK LOW PRO」名義からSBダンクの原型と噂されたプラムやバイオテック、バージニア大学のチャンプカラー、ナショナルカラーのブラジル……等。多彩なラインナップを消化する最新作。

ーーなるほど、シンプルなデザインを指向するならダンクSPのカラーパレットは申し分ないだろう。またダンクSPではオリジナルの”BE TRUE TO YOUR SCHOOL”改め”BE TRUE TO YOUR CREW”*7をスローガンに掲げ、学校ではなく仲間との絆にフォーカスするよう説いています。スニーカークルーの一員として共同生活を楽しむ二人にとって、このスローガンはどんな風に響きますか?

山内スニーカーを媒介に繋がって共同生活を始めた僕らの為にあるようなスローガンは、様々な組織や活動に参加する全てのクルーに向けたメッセージでもある。今年の2月から4人体制になり、自粛期間中も四六時中ツルんでいた所為か、スニーカーの趣向も似通ってきたような気がします。

池田たしかにスニーカークルーとしての絆が深まるのは良いですが、これ以上欲しいスニーカーが被るのは正直勘弁してほしいです。それでも今後もスニーカー活動を通して連帯感が昂まるのは間違いないでしょう。大晦日のお台場でGirls Don’t CryのダンクSBをみんなお揃いで履いて撮った記念写真が全てを物語っているような気がします(笑)

*7 BE TRUE TO YOUR SCHOOL / BE TRUE TO YOUR CREWカレッジリーグの強豪校をサポートすべく1985年に発売されたダンクは各校のスクールカラーをまとった7色展開。これにジョージタウン大学カラーのターミネーターを加えた計8型でプログラムを構成、そのスローガンが”BE TRUE TO YOUR SCHOOL”。これを大学以外で絆を結ぶクルーに向けて発信したのが”BE TRUE TO YOUR CREW”である。

ーーまた近年、ナイキではヴァージル・アブローやトラビス・スコットといった世界的なセレブリティをパートナーに異次元のコラボを次々と展開してきましたが、それらの現象について思うところはありますか?

池田一昔前では想像できないようなカスタムが横行し、ナイキの象徴であるスウッシュですら裏返ったり、切り刻まれたり、まさにやりたい放題。個人的には初期のダンクSBですら過激な印象で捉えていたので、最新のカスタム事情には呆然とするばかりです。それでもOff-White別注のダンクSBはカレッジカラーの配色に惹かれて、つい買っちゃいました(笑)

山内クリエイターの意思を最大限に尊重するナイキの姿勢は本当に凄いと思います。ただ、00年代初頭のSUPREMEが手掛けたダンクロープロSBほど、創造性豊かなコラボレーションはないでしょう。先日はユーズドながらSUPREMEのセメントブルーを入手しました。

ーー最後に、間もなく発売されるダンクハイSPについて、それぞれ自分の履いてるカラーの印象を聞かせてください。

池田ミシガン州立大学のスクールカラーであるフォレストグリーンとホワイトで塗り分けられた2トーンの配色が堪らなく魅力的で、シンプルであるが故にどんな洋服でも合わせ易い印象。深い色合いのグリーンがダンクらしいクラシックな佇まいによく映えます。レザーの肌触りも上質で、初期のカレッジカラーを彷彿させるダンクハイSPのニューカラーでしょう。個人的には是非とも購入したい一足です。

山内ダンクと言えば、このカラー。ネイビーとイエローを大胆に塗り分けたミシガン大学カラーのダンクハイSP。そのカラーパレットをいま改めて見ると、やはり派手過ぎる印象は否めません。それでもダンクを象徴するハイコントラストな配色はアグレッシブかつ躍動感に溢れています。オリジナルカラーの栄冠を受け継ぐダンクハイSPのニューカラー。その歴史的な価値に照らしても購入すべき一足でしょう。

ーー私物探訪

NIKE DUNK HIGH – 池田ホワイトとブラックを均等に配色したモノトーンのハイトップ。裏ダンクのリリース終了後にフットロッカー別注として発売された1999年製。白黒の組み合わせが純粋にシンプルを極めた最強のカラーパレット。セカンドマーケットで購入したヴィンテージダンク。

NIKE DUNK LOW – 山内これまで何度も復刻を繰り返されてきたダンクのアイコン、紺黄のミシガン大学カラーは2010年製のリイシュー仕様。オリジナルのカレッジカラープログラムや裏ダンクのラインナップに見るトラディショナルな2トーンカラーがダンクの人気を支えている模様。

NIKE DUNK LOW PRO SB – 山内ナイキスケートボーディング発足直後にダンクSBの第2世代としてリリースされた通称”ローデン”は2002年製。ダークオリーブとブラックによる重めの配色もスケーターの支持を得たインラインカラー。ミントコンディションのこちらは友達より借りたものだそうだ。

NIKE DUNK LOW PRO SB TOKYOB – 岸バスケットボールからスケートシューズへ華麗なる転身を果たしたダンクをテーマに東京・青山でアートエキシビジョンを2003年開催。ダンクを白いキャンバスに見立て作品を発表した大規模な展示と共に、キャンバス素材でアッパーを覆った東京ほかニューヨーク、パリ、ロンドンのご当地モデルが製作され、世界的なトピックスに。一般発売されることのなかったダンクSBはいずれも超高額取引の対象に。

NIKE SB DUNK HIGH PRO FRAR – 岸スケートボードを人生の尺度に歩んできたデザイナー西山徹主宰のFORTY PERCENT AGAINST RIGHTSがコラボしたダンクSBのカスタムモデル。エアジョーダン5及び6の象徴的なディテールをスウッシュやシュータンに導入したスペシャルエディション。FPARのブランディングやメッセージを随所に刻み、細部にまでこだわり抜いた渾身の一撃は、将来性に期待したい漆黒のダンク。


池田 陸 (いけだ りく)1997年生まれ・千葉県千葉市出身・AB型。UNDEFEATED明治通り店スタッフ。勤続2.5年。スニーカーに開眼するのは高校卒業後に聴いたカニエ・ウエストからのYEEZYだとか。まもなくナイキの魅力に触れて宗旨替え。現在はダンクSBをはじめクラシックなスタイルを中心に収集活動に励む一方、スニーカークルー4人組の共同生活を営む。計50足所有。


山内 大輝 (やまうち ひろき)1996年生まれ・東京都江戸川区出身・O型。UNDEFEATED明治通り店スタッフ。勤続2年。エアジョーダン1レトロのシカゴが買えず、逆に火が着いたスニーカー収集の歩みは初期のダンクSBを中心に回るも道行きは厳しい。セカンドマーケットを効率的に活用しながら収集活動に邁進する一方、スニーカークルー4人組の共同生活を営む。計40足所有。


岸 伸和 – Nobukazu Kishi Exclusive
1972年生まれ、神奈川県出身。雑誌『Boon』(祥伝社) にてライターとして活動を開始。90年代のスニーカー全盛期には同誌のスニーカー特集や別冊の多くを担当、以降ライフワークの一環としてスニーカーを嗜んでいる。近年はアパレルブランドのカタログやWEBコンテンツの制作ほか、ブランドやクリエイターの活動をアーカイブした書籍を手掛ける。