NIKE AIR JORDAN 4 “TECH WHITE”CT8527-100

デュラバックやTPUなど新素材を積極的に導入した
FLIGHTグループ宣伝のシリーズ第4世代

デュラバックやTPUなど新素材を積極的に導入した
FLIGHTグループ宣伝のシリーズ第4世代

3 Quarterのコンパクトなフォルムに凝縮された
先進テクノロジーとデザインの最高傑作
3 Quarterのコンパクトなフォルムに凝縮された
先進テクノロジーとデザインの最高傑作

Michael Jordanの引き抜きという最悪の事態も想定された前作AIR JORDAN 3を巡るドタバタ劇。それまでAIR MAXやAIR TRAINERシリーズを担当してきたTinker Hatfieldがわずか3ヶ月の開発期間で仕上げたAJ3はMJをNIKEに留まらせ、AJシリーズの新たな担当にTinkerが就任することで決着した。その過程でMJのシグネチャーモデルに対する並々ならぬこだわりに触れ、Tinkerも奮起する。翌年、AIR JORDAN 4のアウトラインを構想するに当たり、AJ3で採用した”3 Quarter”こと3/4カットを基準に、前作同様ローカットの展開を見送ることからスタートした。

FLIGHTグループより1989年登場した
ライトウェイト仕様のAIR JORDAN第4世代

1989年、NIKE BASKETBALLでは新たなグループ”FLIGHT”が誕生する。それまで1982年発売のAIR FORCE 1を起源に、AIR FORCE、DELTA FORCE、ALPHA FORCE、DRIVING FORCEなどバリエーションを拡充し、FORCEグループを最大派閥に育ててきたが、ポイントガードやシューティングガードにも軽量化の進んだシューズをプレゼンテーションする必要に迫られていた。そこでNIKEは軽量性とクイックな機動性に特化したFLIGHTグループを新設し、BASKETBALLカテゴリーをFORCEとFLIGHTの二大グループ体制へと移行した。

早速スプリング89発のAIR FLIGHT、フォール89発のAIR FLIGHT LOW(現AIR FLIGHT 89)を第1世代にスタートしたFLIGHTグループに、思わぬ形で援軍が登場する。それがAIR JORDAN 4である。AIR FLIGHT LOWと同時期にデビューしたAIR JORDAN 4は、ビジブルエアを搭載したソールユニットをFLIGHT第1世代と共有し、メッシュパネルに覆われたアッパーが軽量化を推進。つまりAIR JORDAN 4とFLIGHTの目指すところは限りなく近く、それならばAJ4がFLIGHTから発売されても違和感はない。こうしてAJシリーズで唯一FLIGHTロゴを冠した第4世代だが、他にもテクノロジーの進化を感じさせるディテールの宝庫だ。アッパーの衛生面に配慮したデュラバック、TPU素材のマルチポートレースロックシステム及びヒールプロテクター、ストラップ状のアンクルスタビライザーなど。これら先進的なディテールが3/4カットのコンパクトなフォルムに凝縮されたAIR JORDAN 4は米国市場ではすでにブレイクを果たしていたが、日本市場では次の第5世代から争奪戦が始まる。ちなみにオリジナルのカラーバリエーションは4型で、ホワイト、ブラック、ファイアレッドに次いで登場したミリタリーブルーはAJ4で唯一フルグレインレザー(本革)をまとったファイナルエディション。

初期AJシリーズの巧みな広告戦略
Spike Lee監督起用のMarsキャンペーン

前作のAIR JORDAN 3から引き継いだ広告戦略はお見事の一言に尽きる。映画監督のSpike Lee扮するMars Blackmon(MJの熱狂的なファン)が本人と共演する「Mike & Mars」は歴史遺産と呼ぶに相応しい映像やビジュアルを次々と発表し、ましてやテレビCMが放送されていた本国での盛況ぶりは言う迄もないだろう。同じくSpike Leeが監督・脚本・製作を務めた映画『Do The Right Thing』(1989年米国公開)でも劇中にAIR JORDAN 4が物語の行方を左右するキーアイテムとして登場する等、当時のAJシリーズはスニーカーであると同時にカルチャーの観点からも解釈できる歓びに満ちていた。

そして肝心のMichael Jordanは88~89シーズンのNBAで最優秀ディフェンス賞を獲得。いよいよCHICAGO BULLSが黄金時代を迎えるための助走に入った躍進期へ。まだ若いMJがコートを駆け巡る姿と足元のAIR JORDAN 4の面影がオールドAJファンの心象風景に深く刻み込まれている。

のちにAIR JORDAN 4もRETROシリーズの人気モデルとして次々にカラーバリエーションを増殖し、例えばUNDEFEATED共同製作のオリーブやEMINEMのチャリティーオークションに出品されたCARHARTTダックのスペシャルエディションなど至宝の数々を手掛けてきた。ただ惜しむらくは近年リリースされたOG仕様を除けばヒールプロテクターとアウトソールの”NIKE AIR”のロゴをジャンプマンに置き換えたバージョンが市場に溢れていること。オリジナルカラーのRETROが”NIKE AIR”のOG仕様に置き換えられていってるように、無事発売が噂されるミリタリーブルーも本革アッパーの”NIKE AIR”で復刻されることを望んでやまない。

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