NIKE AIR WOVENDN1773-010

スニーカーのイノベーションが新たなフェーズに突入した
次世代のエコモデル、エアウーブンの織り物テクノロジー

スニーカーのイノベーションが新たなフェーズに突入した
次世代のエコモデル、エアウーブンの織り物テクノロジー

織り物というプリミティブなマテリアルに
高度なテクノロジーを宿したエアウーブン
織り物というプリミティブなマテリアルに
高度なテクノロジーを宿したエアウーブン

 長期間にわたる製品開発を厭わず、最先端のテクノロジーと革新的なデザインによる最高のプロダクトを追求したNIKE ALPHA PROJECTをはじめ、ミレニアム期のナイキでは新たなイノベーションが連鎖的な爆発を起こしていた。ナイキダンクの復刻が市場を賑わせた1999年よりビジブルズームエア初搭載のエアズームシチズンを以て始動したNIKE ALPHA PROJECTはその後、エアプレストやエアズームサイズミック、エアクキニやエア227などユニークなコンセプトのニューモデルを続々と輩出、それらの洗練されたフォルムにスニーカーマニアの多くが衝撃を受けた。

ナイキがイノベーションを量産したミレニアム期、
その時代を象徴するエポックメイキング

 そして2000年に発売されたエアウーブンもまたプリミティブな造形に無限の可能性を秘めたコンセプトモデルとして大いに話題を集めたエポックメイキングである。紐状の合成繊維を編み込み、軽量かつ通気性に優れたアッパーは、部位ごとに必要に応じてストレッチやサポートやプロテクションなど機能を自在に調整できるスグレモノ。加えて、手芸感覚の組み紐シートに装着したシンセティックレザーのシュータンとヒールカップのみで構成されたアッパーは史上類を見ないほどミニマムだが、組み紐の配色をアレンジすればマルチカラーからソリッドまで多彩なバリエーションを展開できる面白さ。
 更にウーブンテクノロジーはそもそもデザイナーのマイク・アヴェニが生産工程で発生する端材の再利用及び廃材の削減を意図したアイデアから発想された環境配慮型のイノベーションなのだ。それ以前もそれ以後もナイキでは環境問題への取り組みをプロダクトに反映することは珍しくなく一定の成果を上げてきた。古くは廃品回収されたシューズを断裁したチップ状のマテリアルで成型したリグラインドアウトソールもリサイクル活動の一つだ。また2005年に発表されたConsideredシリーズは、環境への負荷の大きい接着剤を極力使用せず、プリミティブな靴作りをテクノロジーへ昇華したもの。アースカラーをまとったConsideredシューズの群れはダンクやフマラといったナイキの看板モデルをベースにエコテックなソールをブラッシュアップするのが十八番で、コンセプト及びデザイン共に史上の支持を得ていた。次いで2012年に発表されたFlyknitテクノロジーも結果として生産工程での廃材の発生を大幅に削減し、Flyknitが他メーカーに及ぼした影響も踏まえると、そのインパクトの大きさは計り知れない。その他、2017年発表のFlyleatherは天然皮革の風合いをリサイクルレザーで表現したテクノロジーであり、2019年発表のSpace Hippieは「宇宙ゴミ」と揶揄される工場廃材を主な原料にアップサイクルしたプロダクトラインだが、いずれも環境への配慮を前面に打ち出したナイキの戦略的なプロジェクトと言えるだろう。

デザインと機能性とエコ意識をも兼ね備えた
ウーブンテクノロジーの大いなる可能性

 このエコテックな系譜に連なるエアウーブンを最初に見出したのは東京のストリートカルチャーだった。当時、ナイキ副社長のマーク・パーカーが来日した際、携えてきたのがエアウーブンのプロトタイプで、これを一目見た藤原ヒロシはそのイノベーションを賞賛する一方、帯紐の配色次第でより大きなインパクトを与えられるだろうと提案した。そうして誕生したのがマルチカラーのエアウーヴンであり、その企画がきっかけで始まったのがHTMである。Hiroshi、Tinker、Markという3人の頭文字に由来するスペシャルプロジェクトは、ナイキが本領を発揮するパフォーマンス系のテクノロジーとは一線を画したウーブンシステムのシンプルな構造に秘めた無限の可能性に共鳴し、エアウーブンブーツなど派生モデルをいち早く展開。極彩色のマルチカラー然り、あえて色数を抑制したツートーンカラーも然り、バリエーションの多様性を証明してきた。またエアフットスケープウーブンやエアマックスウーブンなどハイブリッドモデルへ発展したウーブンテクノロジーにプリミティブゆえの進化の余白を発見することができるだろう。ナイキの新たな世界観を象徴するエアウーブンの存在は瞬く間に世界のインフルエンサーに伝染し、日本のマーケットと同様にロンドンやニューヨークでもヒットを重ね、現在に至る。

NIKE AIR WOVENDN1773-010

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