- 1993年にファーストモデルがリリースされた長距離ランナー向けランニングシューズであるGEL KAYANO。モデル名の由来となっているのは当時デザインを担当した榧野俊一氏の名前にちなんでいる。当時、シューズを何かのモチーフからデザインすることは一般的ではない時代、攻撃的な顎、硬質なボディ、素早い動きというイメージからクワガタをデザインソースとして設計された。6代目のモデルに初めてI.G.S.(インパクトガイダンスシステム)を搭載し、ブレイクする発端となった。I.G.S.とはバイオメカニクス、材料力学、衝撃工学など幅広い知見に基づき研究・実験を積み重ね生み出された理念である。屈曲性・軽量性・緩衝性・通気性・安定性・グリップ性・耐久性、人がより快適に走る為に欠かせない機能を持った“証”といえる。今作GEL KAYANO 5は1999年に登場した5代目モデルである。20世紀末らしいというべきボリューム感のあるシルエット、今モデルの最大の特徴である衝撃緩衝材「GEL」、着地時の安定性を高める高硬度スポンジ材「DUOMAX」を搭載している。
今作は上海生まれのデザイナーYixi ChenによってLAを拠点に活動するデザインラボ「C2H4」のセカンドレーベルであるChemist CreationsとASICSのコラボレーションモデル。自らをデザイナーではなく化学者・研究者と呼び、フューチャリスティックで世の中の様々な要素を組み合わせて構築するクリエーションを世に送りだす気鋭のレーベルとの合作ならではの、無機質で未来的なムードを醸し出すディテールワークが特徴。アンダーレイには英語のテキスト、バーコードのデザインを施し、それを覆うようにレザー・スウェード・クリアパーツの異素材を用い、ダブルのシューレース仕様がさらにインダストリアルな雰囲気をアップデート。ヒールサイドには化學製品のロゴを刻印し、コラボレーションモデルの証を引き立たせた。
